3月3日。樫木泰子氏が講師を努める「終活ガイド検定」に参加してきました。凛とした声。終活カウンセラーとしての長い実績に裏打ちされた堂々たる格調高いお話。深い知識をどれほどの努力で、ここまで積み上げてきたのだろうかと唯々、脱帽の思いで耳を澄ませてきました。話の運びの巧さ、聴く者の心を一瞬たりとも飽きさせない講師としての力量は「素晴らしかった!」の一言に尽き、北海道終活の第一人者として称えられる所以がよく理解できた一日でもありました。
ところで、講座の中で樫木先生は、「フレイル」について触れられました。老齢の身にとってこれは気になるところ。フレイルは高齢者にとって、介護が必要になる一歩手前の段階だといいます。歩く速度が落ちたり、体重が減ったりして日常生活を送るのに必要な体力が衰えていく…当てはまるのです。私にも。最近、ペットボトルのキャップを開ける
のに実は苦労しています。平らな所を歩いているのに突っかかることもある。これらはサルコべニア(筋肉量減少)を予感、自覚しなければならない危険な前兆だと言います。何の対策もとらずにいると、75歳以上の後期高齢者の多くが
この段階を経て、要介護状態に徐々に近づくというのですから要注意です。
できれば、これ以上悪化するのを食い止めたいものです。とはいっても、サルコべニアに一度なってしまうと元に戻るのは難しいという報告もあります。厄介なのは、65歳以上の高齢者に多く、特に75歳以上になると急に増えてくるということ。
それでも生きて行かなきゃなりません。転ばぬ先の杖は、何といっても「知る」ことから始まるのでしょう…というわけで、フレイルとサルコべニアの関係を整理しておきたいと思います。
サルコペニアとは、Sarx(筋肉)とPenia(減少)というギリシャ語を組み合わせた造語。加齢や生活習慣などの影響によって、筋肉量が減少し、歩行速度が低下しているような状態を言います。サルコペニアになると、「歩く速度が低下する」「転倒・骨折のリスクが増加する」「着替えや入浴などの日常生活の動作が困難になる」「死亡率が上昇する」など、さまざまな影響が出てくるようです。心しておきたいのは下図のとおり、サルコべニアがフレイルサイクルのスタート地点になるということでしょうか。
フレイルとサルコペニアの関係は以下の通り。サルコペニアを出発点としてのフレイルサイクルは、加齢や病気で筋肉量が低下(サルコペニアを起こす)→身体の機能が低下→足の筋肉量低下→歩行速度が落ちる→疲れやすくなる→全体の活動量が減少する→エネルギー消費量が減るので必要とするエネルギー量も減少→動かないとお腹がすかない→食欲もなくなる→慢性的に低栄養の状態→サルコペニアが更に進行→筋力低下が進む。この悪循環をどこかで断ち切らないと、フレイルサイクルを繰り返し、要介護状態になる可能性が高まってしまうという次第。高齢になったら、ボーっとして生きてはいられないのです。
私と同じ後期高齢者の方々は相続対策だのなんだのとお忙しい毎日でしょうが、身体の管理にも目を向けなければなりません。
まずは、できることからから始めましょう。フレイルサイクルの原点に立ち返り、思い切って外へ出かけようではありませんか。
女性はお洒落してね。男性はダンディさを失わず・・・。枯れてはダメよ。