こんなエンディングノートもある



2017年8月。札幌東急デパートで行われていた終活イベントで、50代と思われる姿も生き方も美しい女性にお会いしました。エンディングノートを広めるお手伝いをしていたので、エンディングノートについてお話ししたところ、「私はこんな風にして常日頃から書き綴っているのです」とバッグから取り出したのはA6のシステム手帳。驚きました。身長、体重、血圧から好きな音楽や映画、「この着物にはこの帯」とご自分の情報がびっしりと書き込まれておりました。

そして「きれいなものを1つ身に付けている功徳は、今日のいやなことを忘れさせてくれるし、

明日を思いわずらう心を薄くしてくれる」など、生きる指針と思われる言葉も。

聞けばお一人で生きてこられたとのこと。「一人だからこそ、美しく生きなければならない。

こうして外出するときは、部屋の中をいつもより綺麗に掃除して出てくるのですよ。汚い部屋に帰るのは嫌だし、外へ出れば何があるかわかりませんから」。

私の出番はありませんでした。学ぶばかりです。ただ一つ、預金通帳やマイナンバーカードを手帳に挟み込んでいたのが気になって、コピーで持ち歩いたほうが良いのではとお勧めしました。そして、手帳の一部を写真に撮らせてほしいと申し出ました。こんな素敵な方がいらっしゃることを世間に発信したいこと、私のセミナーに使わせていただきたいとの目的を告げて.



OKでした。勝手なお願いをする以上、身元を告げておかねばと名刺を渡しましたが、女性の方のお名前は敢えてお尋ねしませんでした。ところが数日後、これまた驚くような美しい着物姿で再び、訪れてくださいました。その理由は「あなたの名刺の渡し方が素敵で忘れられず、もう一度お会いしたいと思った」とのこと。日頃、ガサツな自分に嫌気がさしている私を見抜き、それとなく励ますために天の神様が女性の姿を借りて、現れてくれたものでしょうか。

「あの日、早速、帰りにコピーしたんですよ」…彼女は通帳等のコピーを私に見せて微笑みました。

見る人もいないのにエンディングノートなんか書く必要ないでしょうと言われる方も多いのですが、誰も見なくてもいいのです。エンディングノートは自分がこの世に生きた証なのです。そして、誰かが見るのです。必ず。