SDGs葬送-テクノロジーで葬送を変える-2020.8.12


TAWA LAB創設者・俵屋年彦


SDGs葬送=火葬に代わる地球環境に配慮した葬送

札幌市が許可している葬送は、火葬場での火葬のみで、火葬には灯油を使用。

札幌市が、2018年度の火葬に使用した灯油使用量は、山口斎場40万8000リットル、里塚斎場42万リットル、合計82万8000リットルに上ります。

札幌市の2018年度火葬件数は20827件。人間だけの数字です。灯油使用量は、1人平均39.76リットルです。1人当たりの平均灯油使用量は、文献を探すと日本では60リットル、アメリカでは100リットルという数字が見つかります。 


火葬率=アメリカ51.6%、イギリス77.1%、ドイツ62.0%、フランス39.5%、イタリア23.9%、カナダ70.5%、ロシア9.9%、香港93.3%、韓国84.2%、タイ80.0%

日本の火葬率99.97%。日本は世界一の火葬大国。画一化された葬送方法



日本の火葬率の推移

1900年29.2%。1940年55.7%。1960年63.1%。1980年91.1%。2017年99.97%


札幌市火葬場・墓地のあり方推進協議会

2020年3月に、2020年度から2034年度を見据えた、葬送に関する将来の目指す姿とその実現に向けた施策の方向性を示す「札幌市火葬場・墓地のあり方基本構想」を作成

札幌市の人口は、少子高齢化の進展などによって数年のうちに減少に転じ、人口の多い世代が寿命を迎えられる頃に、亡くなる人の数が多い状態が続く「多死社会」が到来することが避けられない状況

「多死社会」の本格化に伴って起こる火葬場や墓地に関する問題と、それらへの対応を示す「札幌市火葬場・墓地のあり方基本構想」をまとめた


基本構想の葬送の定義

「人が亡くなってから葬儀と火葬を行い、遺骨を納めたお墓や納骨堂などの管理をしていく一連の行為」

 

札幌市の「火葬場・墓地のあり方基本構想」は、従来の火葬や墓地が前提となっていますが、世界的には地球環境の観点などから、火葬を見直す動きが強まっています。

札幌市も新しいテクノロジーを活用した火葬に変わる葬送方法を検討すべきだと思います。価値観の多様化に合わせ、葬送方法の選択肢を増やすという観点も必要です。


展示会「死を再設計する」2020年2月11日-2021年1月24日オランダCubeデザイン美術館

約1年間にわたって、死への準備、送別、喪、永遠の命など、約50のデザインが展示さる


Capsula Mundi カプセル・ムンディ

遺体をカプセルに埋葬して、記念樹を育てる

カプセル・ムンディは、イタリアのデザイナーアン・シテリ(Anna Citelli)とラオル・ブレツェル(Raoul Bretzel)の両氏が考案


遺体を収容するカプセルは、微生物によって肉体を自然に分解できるようになっている。カプセル自体もジャガイモやトウモロコシなどからつくられたバイオ(でん粉)プラスチックでできている。

遺体は小さな卵形の生分解性骨壷に入れられ、大きなポッドの胎児の位置に置かれる。カプセルは種として埋められる。亡くなった人が選んだ木はその上に植えられ、亡くなった人の記念碑として、後世と私たちの惑星の未来の遺産としての役割を果たす。成長するにつれて、家族や友人は木を世話し続ける。墓地は新しい外観を獲得し森へと成長する。


★新しい技術を使った新しい葬送の方法

アクアメーション アルカリ分解葬 液体火葬

熱と圧力、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムといったアルカリ性物質で、通常の腐敗プロセスを高速化する。専用機器の中で遺体は水酸化カリウムの溶けた強アルカリ性の水につけられる。液体の温度は摂氏150度程度の高温に上げられ、遺体の分解が行われる。分解は約90分で完了。遺体を分解した液体と火葬の場合と同じように遺骨が残る。

メイヨー・クリニックは2003年、初めてミネソタ州で「液体火葬」の合法化を実現。現在、アメリカ50州のうち18の州で、法的に認められている


プロメッション promession 氷葬

生物学を学び、企業に勤務したのち、有機野菜栽培で起業したスーザン・ウィーグ-メサク氏が2001年7月プロメッサ・オーガニック社を設立

死後1週間以内に、遺体をマイナス18度で凍らせる。その遺体をジャガイモやトウモロコシのでんぷんを主原料とする棺に納め、マイナス196度の液体窒素に浸して完全凍結させる。インスタントコーヒーやスープなど、フリーズドライ食品を作る技術と同じ。


有機還元葬 遺体堆肥化

2019年5月21日、米ワシントン州のジェイ・インズリー知事は、同州議会が4月可決していた人間の遺体の堆肥(たいひ)化を認める法案に署名した

Recomposeがワシントン州立大学と共同開発し、献体を使って実験を行ってきた方法は、木材チップとアルファルファ、わらが詰まった六角形のスチール製コンテナに遺体を安置する。30日以内に微生物によって分解される

2021年3月、シアトルに全く新しい堆肥葬用施設をオープンする予定